フロイトは彼の精神分析の基本理論の一つとして（原型）と移転または反復強迫の概念を導入した。
人間の対人関係のパタ−ンや感情生活は、幼児期の体験−その対人関係や愛情欲求の満足度に大幅に依存している
大人の愛情は、彼/彼女の幼児期の愛の原型のコピ−であり反復である。
幼児期の原型のその対象を、現在目の前にいる人に移転して繰り返しているにすぎない。
少なくとも神経症の患者たちにおいては、そのような反復強迫の性格が少なくない。
特に、今社会問題になっている児童虐待においては幼児期の原型のその対象を、現在目の前にいる人に
移転して繰り返しているにすぎないのである。
したがつて幼児期の回想はその人の精神生活や愛情の葛藤などをその根底から理解する上できわめて重要である。
幼児期における家庭環境や社会生活にそれぞれ差があり、幼心にも、羨望とか、嫉妬心や不安、恐怖
を感じ、しかもどうすることもできずにその不快な思いを意識させないよう無意識の世界に抑圧してしまう
つまり本能によるひとつの生きる知恵かもしれないが、心の世界から消えたわけではない。
特によい子ぶる子は抑圧感が強いのかもしれない
自分の誇りや、自己価値、感情が常に脅かされていることになる。
つまり意識の中にとどまっていては苦痛であったり、自分が認めたくない記憶や願望を
無意識という領域に追放してしまうことを抑圧と呼んだ。
抑圧された感情は人生体験の中で病状形成を起こすことになる。